沖縄の干潟に生息している「ミナミコメツキガニ」がスイーツ並に甘いということなので、その原因を調べてみました。
「ミナミコメツキガニ」は食べるとスイーツのように甘い
「ミナミコメツキガニ」とは?
沖縄などの琉球地方の干潟に生息する甲長約1cmほどの丸っこくて小さいカニです。
一般的なカニは横歩きですが、ミナミコメツキガニは「縦」に歩きます。
隊列を組んで、縦に歩く様子から「兵隊ガニ」ともいわれています。
こんな愛らしい「ミナミコメツキカニ」ですが、なんと!
『食べると、まるでスイーツのように甘い』
そうです。
カニの甘さではなく、スイーツレベルの甘さなんだそうです。
世界の果てまでイッテQのイモトさんや、生物ライターの平坂寛さんが実際に食されていました。
どちらも素揚げにして食べていました。
「ミナミコメツキガニ」はその後に食べるものまで甘くなる!
カニ自体がスイーツのように甘いというもスゴイのですが、
実は、
その後に食べたものさえ甘くなるんだそうです。
- その後に飲んだ水。
- その後に飲んだコーヒー。
- その後に食べたレモン。
- その後に食べたわさび。
ただし、美味しいというわけではなく、みなさん「サッカリンのような甘さ」とか、「人工的な甘さ」と感じているようです。
サッカリンは、はじめて商品化された人工甘味料(砂糖の数百倍の甘さ)
「ミナミコメツキガニ」だけじゃない!実は「ヤドカリ」も超あまい!
「ナイトスクープ」に、味覚が変わるヤドカリの調査依頼が届いたことがあります。
食べると味覚が麻痺して、何を食べても甘く感じるヤドカリが生息しているので調査してほしい!
という依頼です。
その正体は「オニヤドカリ」でした。
オニヤドカリのカニミソを食べると、その後にレモンを食べても甘くなるそうです。
「オニヤドカリ」は別名「あまがに」とも呼ばれてます。
また、やどかりは「ガナゾー」「ガナズ」とも呼ばれます。
「舌の上に薄い膜が貼っているような感じで、酸っぱさや辛さが和らいでいるイメージ」だそうです(林先生)
南房総の一部の地域では「オニヤドカリ」を郷土料理として親しんでいます。
塩ゆで・味噌汁・刺し身・塩辛などにするそうです。
特に、神奈川県の城ヶ島では、オニヤドカリ料理で町おこしをしています。
近くに足を運んだ方は「オニヤドカリ料理」にぜひチャレンジしてみてください。
甘い理由→「ヤドカリ甘味料」として「特許出願・研究」がなされていた!
そんな「オニヤドカリ」ですが、
なんと!
「ヤドカリより抽出される新規な甘味料」として特許出願や研究が行われているようです。
あの花王が出願しています。(特願平6-247449:ヤドカリより抽出される新規な甘味料)
そして、その原因物質は「オクテニル硫酸エステル」という新規化合物ということです。
その化合物が、水飲用時などに甘さを感じるように味覚誘導(甘味誘導)を行なっているということでした。
(参考サイト)ヤドカリ由来の甘味誘導成分の同定
「ミナミコメツキガニ」も、同じ甲殻類なので、同じような物質が作用している可能性が高いと思われます。
さらに、フルーツの中にも味覚異常を引き起こす品種がありますので紹介します。
「ミナミコメツキガニ」が甘くなる理由・原因は『味覚誘導』?
さらに「ミラクルフルーツ」という果物も、ミナミコメツキガニやオニヤドカリと似たような味覚の変化(味覚誘導・味覚修飾・味覚異常)が得られます。
ミラクルベリーとも呼ばれます。
これがミラクルフルーツ!
食べた後1時間くらいの間、酸っぱいものを食べるとなぜか甘く感じます。
ミラクルフルーツ自体は甘くありません。
「ミラクルフルーツ」の味覚異常の「原理」は解明されています。
その原理を簡単に言うと?
「ミラクリン」というタンパク質が、酸味と一緒になった場合に、
甘みと似ている性質に変化して、脳に「甘い」という信号を送るという仕組みです。
「甘味誘導」「味覚修飾」作用とも呼ばれています。
私は、「鍵と鍵穴の関係に似ている」という以下の説明図でよく理解できました。
ミナミコメツキガニやオニヤドカリの場合も似たような現象が起こっていると考えられば納得がいきます。
またミラクルフルーツのように味覚誘導・味覚修飾する植物は他にも数種類あります。
(参考)その他の味覚修飾植物
クルグリコ | 酸っぱいものや水が甘くなる |
---|---|
ストロジン | 水が甘くなる |
ギムネマ | 甘さを感じなくなる |
ナツメ | 甘さを感じなくなる |
ケンポナシ | 甘さを感じなくなる |
でも「ミナミコメツキガニ」は食べちゃダメ→「ミラクルフルーツ」で体験しよう!
強烈な甘さや味覚誘導を試してみたいと思う方もいると思いますが・・・
「ミナミコメツキガニ」「オニヤドカリ」を知識の少ない一般の人が料理して食べるのはNGです。
食中毒などになったりしないように調理をしてくれる専門のお店で食べるようにしてください。
そもそも現地に行かないと食べれませんので遠方の方は試しにくいです。
一方「ミラクルフルーツ」に関しては、実はネットショップなどで簡単に購入できます。
なので、味覚が変わる感覚を味わいたい方はぜひ「ミラクルフルーツ」で試してみてください!
集まったみんなでミラクルフルーツの試食会をすると盛り上がるかもしれませんね!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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